東日本大震災は岡山の生活者心理にも影響。「景気悪くなる」85.8%。

次月の消費意向得点は前月から4.6ポイント減少、前年同月比3.6ポイント減少の45.6ポイントとなりました。これまでにない大きな落ち込みで、前月見られた景況感の悪化は、さらに東日本大震災を受けて岡山の生活者心理に大きな影響を与えています。

 

暮らし向きの予測を見ると、「今後の景気」は「悪くなる」「やや悪くなる」と回答した人が合わせて85.8%にまで急増し、景況感は調査開始以来最悪となっています。また、「物価について」も上がってきていると回答する人がこの3ヶ月間で加速度的に急増しています。「今後の世帯収入」の見通しは、この1年間はまずまず安定して推移していましたが、今回大きく減少し、収入への不安が高まりました。「消費(家計)支出の引き締め」についても同様で、2ヶ月連続して減少し、過去最低水準だった2009年11月~2010年2月期の水準に近付きつつあります。復興増税案も聞かれ、生活防衛意識も働いていると考えられます。一方で、「今後の雇用」の見通しは、前月より減少したものの前年同月を2ヶ月連続上回る結果となりました。組織改変や人事異動など、季節的な心理不安は拭えませんが、雇用調整などへの不安は薄れていると考えられます。内閣府発表の3月の消費動向調査は、基調判断を「ほぼ横ばい」から「弱い動きがみられる」へと下方修正しました。

 

暮らしシーン別の注力度をみると、10項目中6項目(「家族との生活」「人づきあい」「趣味・遊び」「余暇・レジャー」「食費・外食」「大きな値の張る耐久消費財」)が過去最低値となっています。また、「学び・教養」が今期初めて前年同月を下回る結果となりました。家電エコポイントの終了や震災による車の供給停止、被災地に共感する岡山県民の心情などが強く表れているのではないでしょうか。

 

暮らし全般については、「住んでいる地域」への満足度が過去最高値を示しました。改めて、岡山県は豊かで穏やかな自然環境であることを感じざるを得なかったと考えられます。

 

生活者の消費スタイルは経済発展の構造変化にともなって変質してきました。大量消費社会は終了したとはいえ、依然として消費し続けなければならない経済構造、原発事故等、この震災で生活者は多くのことを考え続けています。そして考え抜いたのちには、各個人、各分野、各地域の中から、新しい産業や新しい消費文化、新しい生活基準が創造されてくるに違いありません。

 

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「岡山生活者意識調査」4月の消費意向得点
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