消費者心理が低迷。消費意向は緩やかに低下中。

次月の消費意向得点は前月差1.0ポイント減少、前年同月差1.6ポイント増加の54.2ポイントとなりました。4ヶ月連続して緩やかに低下し、前年、前々年の水準に戻っています。
 暮らし向きの予測を見ると、前月悪化に転じた生活者の「今後の景気」見通しは、わずかな改善にとどまり、ほぼ横ばいに推移しました。また、「今後の世帯収入」の見通しは、震災以後回復傾向が続き、前月には大幅増となりましたが、今回減少に転じました。超円高や海外の景気減速に加え、今調査実施期間中には復興財源を賄う臨時増税案が決定し、生活者意識にも影響を与えたと考えられます。一方、「今後の雇用」に対する不安は、4か月間続いた横ばいから上向きに転じています。「消費(家計)支出の引き締め」具合は、引き続き前年水準を上回り、前月のきつい引き締めは1ヶ月足らずで再び緩むこととなりました。前年、前々年を通じて、「消費(家計)支出の引き締め」のポイント値は常に「今後の世帯収入」よりも低い位置にありましたが、この4月に初めて逆転して以降、"収入への期待は薄いが、支出は引き締めていない"という状況がよく見られるようになっています。「物価について」は上がってきていると感じている人が再び増加しました。内閣府発表の9月の消費動向調査では、基調判断を「持ち直している」と上方修正しています。
 暮らしシーン別10項目の注力度を見ると、前月から増加したのは「家族との生活」「学び・教養」「健康管理」の3項目で、前年同月を上回ったのは前月に引き続き9項目に及びました。5カ月連続増加中の「食費・外食」は、前年を上回ってはいるものの急減し、例年とは逆の動きとなりました。収入不安が増したことなどから節約意識が高まり、復興支援を意識していた消費行動にもブレーキが掛かったのかもしれません。ただ、「消費(家計)支出の引き締め」具合は、調査開始から現時点に至るまで緩和傾向が見られるため、従来の節約意識とは違っていることが考えられます。
 暮らし全般の満足度については、5項目(「政治」「経済」「治安」「住んでいる地域」「暮らしの総合満足度」)すべてが前月から増加しました。「政治」は2009年8月に次ぐ大幅増となっています。

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「岡山生活者意識調査」10月の消費意向得点
20111019.pdf
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