景気に期待感、収入不安が改善、消費意向は例年より高く。

次月の消費意向得点は、前月からの増減はなく、前年同月差1.7ポイント増加の51.9ポイントとなりました。
男女別では、男性が再び増加に転じ51.3ポイント、女性は3か月連続減少し52.4ポイント。
年代別では20代と50代以上が増加、30代は2か月連続減少、40代は3か月連続減少となっています。

暮らし向きの予測を見ると、「今後の景気」「今後の世帯収入」の見通しが改善しており、これらが消費意向が減退しなかった背景になっていると考えられます。
一方で、「今後の雇用」に対する不安は依然和らいでおらず、過去同月よりも強まっている状況が続いています。
また、「消費(家計)支出の引き締め」具合については、自営業、公務員、パートタイムの人たちが一段ときつく引き締めたことにより、全体としてさらなる引き締めへ向かいました。
新年度スタートの物入りに向けて節約している時期でもありますが、現在の原油高や、公務員給与引き下げ問題・パート労働者の社会保険適用問題などが影響を与えているもようです。
「物価について」は上がってきていると回答する人が前月同様6割を占めています。
内閣府発表の2月の消費動向調査では、「このところ持ち直しの動きが見られる」と前月の基調判断を据え置いています。

暮らしシーン別10項目の注力度を見ると、前月から増加しているのは「食費・外食」「趣味・遊び」「学び・教養」の3項目、前年同月を上回っているのは「食費・外食」「趣味・遊び」「学び・教養」「健康管理」「貯蓄」の5項目で、全体的には例年並みの注力度合いとなっています。
そのような中で目立つのは「学び・教養」の3か月連続増加の動きで、子供のいる40代の注力度が急増しています。
また、前月に異例の高ポイントを示した「大きな値の張る耐久消費財」は早くも急減し、例年程度にまで落ち着いています。
ただ、前月注力度の高かった50代・20代男性・30代女性のうち、30代女性だけはさらに注力度が増しています。

暮らし全般の満足度5項目については、「政治」「経済」「住んでいる地域」の3項目が前月から増加となりました。
「政治」は首相交代があった昨年9月以降、前年を上回る状況が続いています。
「経済」は低水準の域を出ていないものの、2009年11月に次ぐ27か月ぶりの高ポイントで、20代~30代男性の不満の解消傾向が見られます。
一方、「治安」は前月差、前年同月差ともに3か月連続の減少、「暮らしの総合満足度」は再減少となりました。

円高修正、株価上昇などを受け、久しぶりに景気への期待感が広がりました。
ただ、今期調査では景況感の良し悪しを全く感じさせない心理状況や生活行動が見られることが多くなっており、景況感の影響については、次回の調査結果も併せ、視点を変えながら慎重に見ていきたいと思います。

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「岡山生活者意識調査」3月の消費意向得点
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