次月の消費意向得点は前月差2.3ポイント増加、前年同月差3.3ポイント減少の54.4ポイントとなりました。男性は前年同月差4.4ポイント減の53.6ポイントで、11年?12年度に見られていた高い消費意向はやや落ち着いています。女性は前年同月差2.3ポイント減の55.2ポイントで、同月最低値となりました。GWを間近に控えたこの時期は消費意向が高い傾向にありますが、年代別でみると、20代は60ポイント超の高水準、30代以上はそれぞれ同月最低値と、両極端な結果が見られました。最も高いのは前年度に引き続き20代男性です。ただ、30代以上の中でも、事務系の30代40代女性や、技術系の40代50代男性などは高い消費意向を示しています。
業界別を見ると、高ポイントなのは製造業(食品関係)、流通・販売(衣料品・雑貨)、建築・不動産・住宅関係、商社関係、サービス業など。減少に転じた業界もあるものの、この4か月間は60ポイントを超える業界が増加傾向にあり、景気回復の広がりが感じられます。
暮らしシーン別10項目の注力度を見ると、全項目が前年同月を下回りました。これは調査開始以来初めてのことですが、前年度は「食費・外食」「趣味・遊び」「余暇・レジャー」の3項目が過去水準を大幅に上回るなどしていたため、全体として過去水準に戻ったともいえます。ただ、このうち「食費・外食」についてはまだ明らかに過去水準を上回っています。食への注力度が高い人たちを見ると「家族との生活」や「人づきあい」への注力も高めており、外食の機会を増やしたり、素材やメニューをグレードアップさせてみたりなどの変化がうかがわれます。一方、前年度の急低下からさらに低下しているのが「健康管理」です。「健康管理」はどの年代も女性の方が高く、女性についてはさほどの低下は見られませんが、男性は大きく低下しています。もしくは、メタボ健診がスタートしたのをきっかけに、09年?11年度は身近な生活習慣病への関心が高まっていたのかもしれません。「大きな値の張る耐久消費財」については同月最低値となっています。値の張る欲しいもの・必要なものは十二分に一巡していると考えられ、消費意向得点を押し上げることにはならなかったようです。
今回は例年見られるはずの年度初めの勢いを見ることができませんでした。政権交代後の経済政策によって、企業においては景気回復の兆しがうかがえましたが、個人の意識を弾ませるまでには及んでいないようです。また、いずれ所得が増加し景況感は上がったとしても、”お金では得られない安心感や充足感”を望んでいるといったことは考えられ、政策に頼るだけでなく、地域・企業・個人の様々な面での意識改革も必要だと思われます。