次月の消費意向得点は前月差4.4ポイント減少、前年同月差4.7ポイント減少の50.0ポイントと同月最低値を記録しました。毎年4月度を底として5月度(GW前調査)に盛り上がり、6月度はその反動をみせますが、今年はその反動が大きいようです。性別では、男性は前年同月差6.0ポイント大幅減の47.6ポイントで、11年2?3月度に次ぐ最低水準の消費意向を示し、女性も前年同月差4.4ポイント減の51.1ポイントで、前月同様、6月度最低値となりました。年代別でみると、20代は前月度から大きく落ち込んだものの54.1ポイントで依然高水準、他は50ポイント前後で大差ありません。
暮らしシーン別10項目の注力度を見ると、「健康管理」「家族との生活」「貯蓄」「仕事」といった【生活基盤維持】グループが60?75水準。続いて「趣味・遊び」「人づきあい」「学び・教養」「余暇・レジャー」といった【自己実現消費】グループが55?60水準。50水準が「食費・外食」及び35水準が「大きな値の張る耐久消費財」で【ゆとり消費】グループを形成しています。 前年同月水準を大きく下回ったのは「趣味・遊び」「余暇・レジャー」の2項目で60水準を割り込んでおり、自己実現消費への意欲はやや薄れたようです。一方、前年同月水準を上回り意欲を高めたのは「貯蓄」「健康管理」の2項目で生活基盤維持への充実をより強く図ろうとしています。また、消費景況感を最も如実にあらわしているのはゆとり消費の「食費・外食」特に外食費および「値の張る耐久消費財」購入意欲です。この2項目は「趣味・遊び」「余暇・レジャー」と共に前月度より前年同月差の減少が始まり、景況感の悪化を物語っています。
日銀6月度景気判断は、「下げ止まっており、持ち直しに向かう動きもある」とし、「個人消費において 底堅さを堅持している」との発表ですが、今回は5月度に続いて全消費者層で消費意向得点は前年同月割れを見せており、消費生活局面でみても、「健康管理」と「貯蓄」の防衛意識のみが強くなっていることが明確です。巷間で言われているアベノミクスもまだ岡山県民の個人景況感を大きく改善させるには至っていないと判断できるでしょう。