9月の岡山県民の消費意向得点は秋の到来と共に47.8ポイントと冷え込み加速

次月の消費意向得点は前月差3.0ポイント減少、前年同月差5.6ポイント減少の47.8ポイントと、29ヶ月ぶりに50ポイント割れを記録し、依然同月最低値を続けています。夏突入時には一旦盛り上がったものの、新学期を前に消費意向は控えめの傾向がうかがえます。

 性別では、今春から消費意欲は女性上位が続いていますがその女性ですら前月差3.0ポイント減少の48.6ポイント、男性に至っては前年同月差で7.2ポイントの大幅減を示しています。年代別でみると、今月は40代が45.9ポイントと冷え込みがきつく、40代男性45.1、40代女性46.3ポイントと大きく減退しています。

 暮らしシーン別10項目の注力度を見ると、9月を前に強く注力しようと意欲的なのは「健康管理」と「学び・教養」で、いずれも前月および前年同月に比べ大きく増進しており、逆に前月及び前年と比べ減退しているのは「余暇・レジャ?」「趣味・遊び」で、まさに”夏休みが終わりさあ健康に留意して頑張るぞ”という意識が読み取れます。

 また、前月より大きく注力度をアップさせているのは「学び・教養」に加え、「仕事」です。「大きな値の張る耐久消費財」も僅かながらアップさせており、「貯蓄」への注力度は微力ながらやや弱まっています。

 これらの事実を背景に、消費者、生活者からみた「消費」景気は回復してきているのでしょうか。日銀9月度発表の県内個人消費は「底堅く推移する中で、一部に持ち直しに向かう動きもみられる」との判断です。本調査では今回≪あなたは景気回復を実感していますか?≫という追加質問をしてみました。

 回答者中約5%が「景気回復を実感している」と答えている一方、「実感していない」と答えた人は81%となっています。全般に個人消費による景気回復実感はまだまだ持たれていないようですが、一部でアベノミクス効果は出てきているとの見方もあります。では一体5%の実感派はどのような点に生活インサイトがみられるのでしょうか。

 実感派は景気回復実感のない生活者と比べ、年代的には50代以上で多く、性別では男性のほうが回復感をもっており、暮らしシーン別注力度では、「人づきあい」「食費・外食」に力を入れ、「学び・教養」さらに「余暇・レジャー」にも生活力点を置こうとする人たちが浮かび上がってきます。当然「貯蓄」への生活力点は軽くなっており、「大きな値の張る耐久消費財」への購入志向は強くなっています。今後まだら模様の中で、こうした回復実感層が増えてくるのかどうかがポイントとなるでしょう。

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「岡山生活者意識調査」9月の消費意向得点
20130924.pdf
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