次月の消費意向得点は、調査時期が消費税率引上げ直前の3月末であったこともあり、当調査始まって以来の最低値44.7ポイントとなりました。前年差7.4ポイント、前月差6.5ポイントの大幅減少をみせています。この現象は2010年度時のような偶発的な下落ではなく、消費税率論議も含めた世論の高まりの中での消費引締め意向であり、モニターの皆さんの暮らし分野での注力度の動きや家計支出節約意向からもうかがえます。
4月度見通しで意向度が激減したのは「男性(42.2p)」「50代以上(42.0p)」「経営・自営・自由業(41.7p)」であり、特に「50代以上男性(39.6p)」さらに「50代以上男性経営者・自営・自由業(35.1p)」において特化しています。
暮らし10分野の注力度の観点からみると、前年同月と比べて最も大きく減少したのは「大きな値の張る耐久消費財」で、前年差5.9p減少(前月差8.1p減)と過去最低水準を示し、いわゆる「耐久消費財を中心とした消費税率引き上げ前の駆け込み需要」が調査時点の3月末でなく、2月末時点がピークであったことを物語っています。一方、「貯蓄」への注力度合いは6か月連続して増加しており今回も前年差で4.2pアップの大幅増となっています。
その他暮らし分野でここ数か月連続して前年差で注力度を高めているのは「健康管理」への配慮であり、今期10月度(9月末調査)を除けば5月以降連続して前年超えを記録しており、しかも極めて高い水準に近づいています。また「学び・教養」や「家族との生活」においては前年差・前月差に増加基調がみられ、逆に「食費・外食」や「人づきあい」といった支出増が明らかな分野では前年差・前月差で大きく減少し消費抑制意識が強く働いていることが考えられます。
消費税率アップの中で景気回復はどうとらえられているのでしょうか。2月末の景気回復実感者はモニター564名中33名5.9%(1月末7.2%)で大きく減りましたが、3月末では540名中38名7.0%と再び増加しており、消費税は上がるものの、それが景気回復にとってさほど大きな影響はないという結果となっています。
この38名モニター個人での生活インサイトの特徴をみると、12月末以降2か月連続で回復実感を抱いている人は16~17名水準をを保っており、安定した動きとなっています。また今月新たに回復感を抱いた人は1名増えて15名となり、年代的には40代の人に景気回復実感者が多いことが特徴となっています。
暮らし分野別注力度からみると、回復実感を抱く人は全体と比べて「仕事79.6p(全体61.4p)」および「学び・教養73.0p(同57.5p)」、また全体との差が大きいのは「大きな値の張る耐久消費財42.8p(同27.5p)」の購入に生活力点を置く傾向が高く、前月同様、大型消費への志向はまだまだ強いといった特徴をみせています。