次月の消費意向得点は、夏季ボーナスの支給率が2年連続増加がみられる真っ只中にあって、例年の水準にははるかに及ばないものの、前月に比べ1.5ポイント増と着実にアップしています。例年7月度は前月度に比べ消費意欲は確実に上昇するのが通例で、昨年は特にボーナス支給率が増加に転じたことを背景に大幅アップがみられましたが、今回は比較的穏やかな消費意欲アップとなっています。
7月度見通しで意向度が前月に比べ大きく伸びているのは「女性(46.5→49.1p)」および「30代(46.1→51.7p)」であり、特に「30代女性(53.3p)」が高い水準を示しています。職業別では前月に引き続き「女性社員(53.3p)」が他の層に比べ消費意向得点を大きく高めています。
暮らしシーン別の注力度の観点からみると、前年同月と比べて増加している分野は今回は見当たらず、低調といえます。ただ、夏休みを控え「レジャー総合」は前月から伸びています。特に旅行を中心とした「観光・行楽」が53.2pと前月に比べ4.7ポイント高まっており、他に「食費・外食」が48.8p(前月差+1.8ポイント)、「人づきあい」56.0p(同+1.4ポイント)が目立っています。
さて、堅実な消費意向上昇の過程で、景気回復はどう捉えられているのでしょうか。5月末の景気回復実感者はモニター586名中41名で7.0%と大きく伸びましたが、6月末では592名中37名で6.3%と再び減少し、実感度は夏場に向けて一息ついた感があります。
実感者37名モニター個人での生活インサイトの特徴をみると、昨年10月末から2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)は16~17名(前月16名)水準でしたが、今回一挙に19名を数え、リテンションの点では着実にアップしているとみてよいようです。また年代的には40代以上の人の割合が増加している点が今月の特徴といえます。暮らしシーン別注力度からみると、回復実感を抱く人は全体平均と比べて、7月度では「食費・外食66.9p(全体48.8p)」および「スポーツ・娯楽60.8p(同45.5p)」「観光・行楽68.2p(同53.2p)」といった夏休み需要に生活力点を置く意向が高くなっています。