秋を迎え予想通りに10月の消費意向は高まりを見せています。例年のような50ポイント水準をクリアするには至っていませんが、動きには底堅いものが感じられます。
10月度見通しで意向度は再び7~8月期の水準にまで高まりをみせ47.9ポイントとなりました。前月に比べV字で回復しています。特にこの傾向が著しいのは「20代(50.1→54.9p)」と「30代(44.6→48.3p)」で、特に両年代ともに「女性(20代+6.6p、30代+4.4p)」が大きく貢献しています。職業別でも「女性会社員(50.6→53.5p)」「パート等(45.8→52.2p)」の意欲増進が目立ち、働く女性たちの消費意向高揚が読み取れます。
暮らしシーン別注力度の観点からみると、前月と比べて大きく増加したのは「健康管理(77.5p前月差+3.1p)」で、他に「家族との生活(72.1p同+2.2p)」「観光・行楽(51.4p同+2.0p)」及び「子供の教育(70.2p同+1.8p)」と、秋本番に向けての暮らしの充足意向がみてとれます。一方、大きく後退しているのは「食費・外食(46.6p同-1.9p)」と「地域活動(38.0p同-1.4p)」で、前者は「人づきあい」と共に2か月連続の大幅減少、後者は前月度の強い反動とみられます。なお「仕事(59.8p同+0.3p)」については前月差もさることながら前年同月差も共に増加を続けており、一見年末景気回復に向かって進んでいるように思えます。
消費意向の高まりが景気回復につながっているかどうか、実際景気回復はどう実感されているのでしょうか。9月末の景気回復実感者はモニター573名中23名4.0%と、再び減少を示しました。実感者の絶対人数からみる限り、20名4%水準にまで戻っており、春先からの景気回復実感者割合が一進一退を続けている限り、実質的な景気回復というにはまだまだ程遠い感があります。
実感者23名モニター個人での生活インサイトの特徴をみると、2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)は23名中16名で、この夏低迷していたリテンション者数が16~17名水準まで復活しており、この秋の動向が注目されます。また、消費意向得点は55.9ポイントと相変わらず高いことが指摘できます。暮らしシーン別注力度をみると、「仕事76.1p(全体59.8p)」「観光・行楽66.3p(同51.4p)」といった分野で他の層を大きく引き離しています。