11月の岡山県民の消費意向得点は46.2ポイントと再び減少。年末に向けて景気回復感は足踏み状態に。

 本来ならば11月度は年末に向かって消費意向は高まりを見せるはずですが、年末政局の行く末をめぐって消費税率10%増税の論議が再燃し、景気回復のテンポは足踏み状態となっています。

 11月度見通しで意向度は再び9月度の水準にまで戻っており、46.2ポイントとなりました。特に落ち込みが激しいのは「20代(54.9p→49.4p)」と「50代以上(46.9→42.3p)」であり、特に両年代も「女性(20代-6.3p、50代-4.4p)」が大きく影響しています。しかし依然50p水準を超えているのは20代女性50.6p、30代女性50.4pであり、職業別でも女性会社員52.7p、パート等50.3pが目立ち、働く女性たちの消費意向はまだまだ強いことがうかがえます。

 暮らしシーン別注力度の観点からみると、前月と比べて各分野とも大きな変動はみられないものの、前月度に大きく伸びた「健康管理(75.0p前月差-2.5p)」が減少し、「食費・外食(48.3p同+1.7p)」が増加していることが特筆されます。また、前年同月比で減少している分野は「人づきあい(54.0p前年差-4.2p)」と「大きな値の張る耐久消費財27.8p同-4.4p)」となっています。ただ、大型耐久財の消費と対極にある「貯蓄」への意向をみると、前月差で-2.0p、前年差で-3.2pといずれも減少していることから、耐久財消費意向の減退は、貯蓄性向アップといった生活防衛意識から生じているのではなく、消費税増税の行方をうかがっている結果とみたほうがよさそうです。

 消費意向の増加が景気回復につながっているかどうか、実際景気回復はどう実感されているのでしょうか。10月末の実感者はモニター519名中17名で3.3%と過去最低値を示しました。実感者が10人台に落ち込んでいることからもわかる通り、春先からの景気回復実感ムードはここに至って大きく停滞していることになります。

 実感者17名モニター個人での生活インサイトの特徴をみると、2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)はわずか9名で、この夏から低迷していたリテンション者はついに10名水準を割り、景気回復感の不安定さをうかがわせています。しかし一方で回復実感者の消費意向得点は63.6p(全体46.2p)と相変わらず高いことも指摘できます。さらに暮らしシーン別注力度では「観光・行楽73.5p(全体50.5p)」「地域活動54.4p(同36.9p)」といった分野で他の層を大きく引き離しています。そして「貯蓄51.5p(同62.7p)」においては逆に小さくなっていることに注目できます。

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「岡山生活者意識調査」11月の消費意向得点
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