消費意向得点は45.0ポイントと前月からわずか0.4ポイントの上昇にとどまりました。例年7月度は夏需前半戦で50ポイント水準まで引き上げられるのが常ですが、今期は前年同期からさらに差を拡げ、盛り上がりを欠いています。前月に引き続き7月度の消費意向得点としては最低値となりました。
ただ、前月にみられた全層、とりわけ「20代や30代」の若い層、「働く女性」において顕著であった落ち込みは、今月は「30代」と「50代以上」さらに「女性会社員」「パート」での意向得点が回復しており、前月ほどの一様な落ち込みはありませんでした。
暮らしシーン別注力度をみると、前月に比べ増加をみせているのは「観光・行楽」が3.8pアップ、「スポーツ・娯楽」も1.4pアップで、夏場レジャーの強みを見せています。また、これに伴い「食費・外食」も1.5pアップ、「大きな値の張る耐久消費財」も1.1pアップと季節要因が顕著に表れています。しかしここで注意しなければならないのはこれらはいずれも前年比で伸びているのではなく、前月比のみ伸びているということ、つまり季節要因であることです。さらにこれらは前月の落ち込みからの反動である点にも注目されます。
一方趨勢的に伸びている暮らし分野は「子供の教育」「健康管理」「家族との生活」の3大分野で、いずれも70~75ポイント水準(=「やや注力していきたい」水準)を保ち、連続して前年比増を示しています。「家族との生活」は当月のみは減少が見られますが、傾向として8か月連続増加を示しており、安定した岡山県民の暮らし注力分野といえます。
個人消費の先行きは、日銀岡山支店の発表は最近「一部に弱め」と表現しているように、さらに不透明感を増していることがうかがえます。今回の景気回復実感者は510名中19名(3.7%)とややその割合は上がりました。しかし大局からみれば、景気回復を実感している人は昨年の約2/3を数えるのみであり、春先からの消費意向停滞感は未だ拭えていません。このことを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認すると、今回のリテンション者数は10名と前月同数で、依然リテンション率は2%水準となっており、皆が回復を実感するまでにはかなりの期間を要するとみてよいでしょう。