11月の岡山県民の消費意向得点は44.2ポイントと前月からやや上昇。20代、パート、専業主婦が牽引。

 昨年、一昨年と10月から11月にかけての消費意向はダウンしていましたが、今年は上向きとなり、意向得点は44.2ポイントと12月の盛り上がりに勢いをつけようとしています。ただ、前年度値には届いておらず、今年2月度から連続10か月の前年割れを続けています。

 これを属性別で見ると、前月比では女性でやや回復が見られ性別格差が再び拡大しています。年代別では20代が49.9ポイントと、6.9ポイントの大幅増が目立っています。職業別では牽引役でもある女性会社員が低迷しており、パートと専業主婦の伸びが顕著です。前年比では20代やパートが前年を上回っています。

 暮らしシーン別注力度を見ると、前月比、前年比ともに注力度が高まっているのは「子供の教育」「大きな値の張る耐久消費財」です。中でも「子供の教育」は前月比3.9ポイント増、前年比1.8ポイント増の75.6ポイントで、これまでの最高値を示しています。また、「貯蓄」への注力度が前月よりも減少しており、年末に向けての消費動向にとって明るい材料といえるでしょう。

 秋も終盤のレジャー動向では、全体として前年に比べ注力度は落ちているものの、「観光・行楽」が前月比1.6ポイント増加の49.5ポイントとまだまだ根強い強さをみせています。

 個人消費はまだまだ先行き不透明感をもっており、暮らし向きは節約志向を強めることが予想されます。消費意欲も確実、必要なものに対してのみ向けられる可能性は高く、消費意向が大幅に改善され、個人消費の盛り上がりが実感できるのはまだ先のことと考えられます。

 生活者の景気回復の実感はどのように変化してきているでしょうか。今回の景気回復実感者は513名中20名(3.8%)とその人数も実感者比率も前月からやや増加しています。しかし前年ほどの水準には至っていません。これを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認すると、リテンション者数は9名で、前月から1名減少しています。実感者が20名に増えたからといって必ずしも安定した景気回復感をもった人ばかりではないことに注意しなければなりません。このような点からも景気回復はまだ本格的ではないといえるでしょう。

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「岡山生活者意識調査」11月の消費意向得点
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