3月の岡山県民の消費意向得点は47.3ポイントと前月に続き前年割れ。

 消費意向得点は47.3ポイントと前月から増加したものの、3月度としては過去最低値となっています。この1年は2か月おきに前年水準を上回ったり下回ったりしながら推移してきましたが、昨年末から年明けにかけて消費の盛り上がりを期待させていただけに、この2か月の低迷は春需に失速感をもたらしています。

 ただ、年代別では「20代」「30代」が2か月連続で前年水準を上回っており、消費意欲の衰えを感じさせていません。職業別では「女性会社員」や「パート」が前年を下回っているのが目立つ一方で、「経営・自営」のマネジメント層と「専業主婦」が大きく前年水準を上回っているのが特徴的です。前月にもみられた「専業主婦」の消費意向の底堅さに注目してよいでしょう。

 暮らしシーン別注力度をみると、今期一貫して安定した増加をみせ、前年に比べても増加が顕著なのが「子供の教育」です。毎月、前年比2ポイントアップが続いています。教育への熱の入れ方は相当に強いものがあり、その強さは74ポイント水準で、「健康管理(76.9p)」や「家族との生活(72.5p)」と並びます。また、6か月連続して前年をクリアしているのが「食費・外食」で、注力度は50ポイント水準となっています。

 「貯蓄」は前月まで8か月連続して前年を上回り、注力度の強さを見せていましたが、今回は前年を下回ることとなっています。しかし、貯蓄節約志向はこれまで顕著であり、今回の結果をもって財布の紐が緩んだとは単純にはいえません。

 景気回復感はどう推移しているでしょうか。2月末時点で景気回復を実感している人は526名中25名(4.2%)で、11月末の30名5.9%から漸次人数と割合は減少を続けており、明らかに景気回復が遠のいていることをうかがわせます。このことを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認しておきます。リテンションの考え方は変動に対する短期的な安定性をみるのに適しているためです。今回のリテンション者は12名と前月からさらに1名減少、割合は2.4%から2.3%へと後退し、前年同時期と同水準となっています。

 年度初めに大きな景気回復感をもたらさないと、一昨年のように消費税率引上げによる消費意欲減退を背景に景気回復がさらに遅れた例を繰り返すことになることが危惧されます。

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「岡山生活者意識調査」3月の消費意向得点
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