11月の消費意向得点は43.1ポイントで、前月と比べ0.2ポイント減少し、2か月続いた前年比クリアも当月でストップしました。年末に向けてどこまで消費意向が盛り返すか正念場といったところです。
男女別では、男性の低落傾向が顕著である一方で、女性は3か月連続前年比をクリアしている点に注目です。年代別では、20代が前月まで高水準で前年比をクリアしていましたが、当月大きく落ち込んでいます。40代は6か月連続して前年比をクリアしており堅調に推移しています。
全体的な消費意向得点に停滞感はあるものの、暮らし分野の中には着実に前年比をクリアし続けている分野があります。70ポイント以上と高水準の注力度を示す「健康管理」「子供の教育」「家族との生活」の三大ニーズは前月比、前年同月比ともにスコアを下げていますが、「大きな値の張る耐久消費財」は7か月連続、「食費・外食」は6か月連続で前年同月をクリアし続けています。このようにモノ消費、サービス消費に代表される耐久消費財購入、外食需要への注力度が増している点は、年末への景況に明るい材料を与えるものといえるでしょう。
ここで景気回復の実感を生活者がどのように感じているのかをみておきます。今回の景気回復実感者は515名中26名(5.0%)と人数、実感者比率ともに確実に増加しています。とりわけ比率で5%水準を示したのは初めてであり、6月末を例外として春先から7か月間は順調にその比率を高めてきています。
これを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認してみます。リテンション者は14名と前月より2名減少、比率では3%水準を割った状態に陥っているものの、前年同月と比較をしてみると、かなり改善されています。しかし当月のリテンション率が前月より落ち込んでいる事実は、景気回復の実感者や比率が増えたとはいえ、まだまだ、その先は不安定であり、11月、12月と3%水準を回復できるか、予断を許さない状況にあるとみてよいでしょう。