8月の岡山県民の消費意向得点は43.6ポイントと慎重な態度のなか、「大きな値の張る耐久財」への関心が増加

 8月の消費意向得点は43.6ポイントで、前月度と比べ0.3ポイントダウンし、ここ2~3年の傾向であった夏需の高まりがみられません。意向度としては連続19か月前年割れを示しており、趨勢的に消費意向は低迷しています。

 層別の前月からの推移をみると、性別では女性が45→46ポイントと回復がみられるのに対し、男性は43→41ポイントと後退。年代別では20代が52→53ポイント、40代が44→45ポイントと復調しています。職業別では女性会社員が50→52ポイントと快調に得点を伸ばし、経営自営層も2か月連続で36→42→44ポイントと伸長している点に注目です。一方、高得点を維持していたパート層が49→47→44ポイントと2か月連続で大きく減退しているのも特徴といえます。

 暮らしシーン別注力度を見ると、注力度が70ポイント以上と高いのは前月同様「健康管理」「子供の教育」「家族との生活」です。ただ、「子供の教育」はこれまで着実に注力度を伸ばしてきましたが、今回、前月比・前年同月差ともにダウンしている点が気になります。そして「大きな値の張る耐久財」が4か月連続して前年水準を上回っています。前月度に比べて注力度はややダウンしたものの、その着実な回復力は今後の個人消費回復にとって明るい材料といえるでしょう。

 それからまた、観光需要も個人消費回復の大きな役割を担っており、夏本番に突入し「観光・行楽」が前月度に続き大幅に伸びています。

 これらの点について景気回復の実感度をみておきます。今回の景気回復実感者は496名中21名(4.2%)と人数も実感者比率もやや増えています。前月はダウンしたものの、3月から着実に比率を高めてきています。このことを2か月連続で回復実感を抱いている人(リテンション)の動きによって確認してみますと、リテンション者は11名で比率にして2.2%を示し、前年とほぼ同じ水準となっています。ここ数か月の景気回復実感者率は上がってきていますが、リテンション率が伸びていないため、“慎重な態度”に変化は見られず、本格的な景気回復はまだまだ先と判断したほうがよさそうです。

ダウンロード
「岡山生活者意識調査」2017年8月の消費意向得点
20170823.pdf
PDFファイル 506.5 KB